【事例13】遺言の書き直し

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私は、60代男性です。

小規模ですが会社を経営しています。

私もそろそろ、いい年になってきたので、
会社の跡継ぎのことを考えています。

これまでは、私の2人の子どもは
会社を継いでくれる意志はありませんでした。

ですから、万一に備えて、
会社を手伝ってくれている妻に、
私の全ての財産を相続させる遺言を公正証書で作りました。

ところが、その後、
長男が会社を継いでくれることになりました。

特に会社の株式や、
私名義で会社が使っている土地については、
後継者の長男に遺すようにしたいのですが、
遺言の書き直しや修正はできるのでしょうか?

 
この事例のポイントを先に見る
 

遺言の書き直し方法

遺言を後から書き直すことや
修正はできるのでしょうか?

できます。
ではどうやって?

別の遺言を作成すればいいだけです。

先に公正証書で遺言を書いたとしても、
後から自筆証書遺言で書き直すことも可能です。

例えば、このような遺言を公正証書で書いたとします。

全ての財産は妻に相続させる。

平成25年7月1日

でも、その後気が変わって、
相談者のように自分が持っている会社の株だけは長男に相続させたければ、

○○社の株式は長男に相続させる。

平成25年8月10日

と書けば、○○社の株式を長男に相続させることになり、
それ以外の財産(例えば預貯金や不動産)は、
平成25年7月1日に書いた遺言のとおり、
妻に相続させることになります。

つまり、

最初(平成25年7月1日付)の遺言
 ⇒ 株式以外の記述が有効

次(平成25年8月10日付)の遺言
 ⇒ 株式についての記述が有効

となります。

書き直せば、書き直した範囲で、
遺言が更新され、
書き直しをしていない部分は元々の遺言が有効になります。

上の例では、8月10日の遺言で
株式について書き直しているので、
株式については8月10日の遺言が有効になり、
株式以外の部分は、7月1日の遺言が有効です。
 

もう一つ別な例を見ましょう。

最初に、このような遺言を書きました。

全ての不動産は長男に相続させる。
全ての預貯金は妻に相続させる。

平成25年7月1日

その後、新たな遺言でこのように書きました。

全ての不動産は妻に相続させる。

平成25年8月10日

最初の遺言では、不動産は長男に相続させると書き、
次の遺言で、不動産は妻に相続させると書きました。

遺言は後のものが有効になりますので、
不動産は妻に相続させることになります。

つまり、妻が不動産も預貯金も
取得することになります。

複数遺言があって、その財産を誰に渡すか、
遺言でそれぞれ違うことが書いてある場合、
後の日付の遺言が有効になります。

だから8月吉日や8月大安ではいけないのです。

遺言は、日付が大事です。

では、書いたその日に書き直したくなったら?

その場合は、民法にも規定がありません。

遺言には時間を書く規定がありませんので。

次の日まで待って、
次の日に遺言を書き直せばいいのではないでしょうか。

 

 

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