【事例15】生涯ペットと暮らせる生活

最近はペットを家族として暮らしている人が増えてきました。今回はそんなペットに関する事例です。

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私は、70代女性です。一人暮らしをしています。

一人だと寂しいので、
小さい室内犬(マルチーズ)を飼っています。

この子(マルチーズ)はとてもかわいく、
一人暮らしの寂しさを紛らわしてくれます。
今飼っている犬は、まだ4歳です。

最近、私は物忘れが多くなってきたように感じます。
私の友人でも認知症になった人がいます。

もし、私が認知症になったらと思うと、
この子のことが心配です。

また、入院する場合もありますし、
もしかしたら、この子の方が
私より長生きするかもしれません。

この子は家族同様なので、できるだけ一緒に暮らしたいです。

何かよい方法はないでしょうか?

イラスト:ko-de-buさん

 
この事例のポイントを先に見る
 

何もしないとどうなるか?

ペットを飼われている方で一人暮らしの方は多いと思います。

ペットはかわいく、家族同様ですよね。

ペットと暮らしている方は、
いつまでもペットと一緒に暮らしたい、
そんな気持をお持ちのことと思います。

70代の一人暮らしの方で、
ずっと一緒に暮らしていた犬が亡くなり、
こんな事を言っていた女性がいました。

「私ももう年だから、また犬を飼うと、
私より長生きすると悪いので、犬はもう飼わない。」

この女性の心配はもっともだと思います。

もし、買主が突然入院するとか、
最悪亡くなるなどした場合、
残されたペットはどうなるのか、
飼い主としては心配だと思います。

このような心配に、対処する方法はないのでしょうか?

実は、こんな方法があります。
 

認知症や入院にしても安心できる方法

飼い主が認知症や入院で、
ペットのお世話を十分にできなくなったらどうするか?

そのときは、信用できる人に
お世話をしてもらう必要があると思います。

家族がいたり、知人でお世話をしてくれたりする人がいれば
安心ですが、問題はそのような方がいない場合です。

これを解決するのが「任意後見」です。

もう一度おさらいしますね。

この「任意後見」は、自分がまだ元気なうちに、
将来に備えてあらかじめ後見人を頼んでおく契約です。

後見人とは、平たく言えば保護者のようなもので、
いろいろな手続を代わりにする(代わりにハンコを押す)人です。

信頼できる人を任意後見人に頼み、
将来自分が認知症などでペットを飼えなくなったときに、
どうするかを事前に頼んでおきます。

通常は、里親を捜す団体か、
ペットを生涯預かる団体に、受け渡すようになるでしょう。

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任意後見人は、
定期的に飼い主がペットを飼える状態かを確認します。

認知症などでペットを飼えない状態になったら、
任意後見人は、ペットをどうするかを
頼まれた内容どおりに手配します。

内容としては、里親を捜す団体や生涯預かる団体に
ペットを引き渡すことになるでしょう。

この団体は、事前に調べておき、
信頼できるところを指定しておけば安心です。

このようにしておけば、
将来、自分がペットのお世話ができなくなっても、
ペットが困らないようにすることができます。

任意後見は、飼い主が認知症などで
判断能力がなくなったときに有効になり、
飼い主が入院など、判断能力はあるけど体が動かない場合は、
「任意代理」という制度を利用します。

任意代理も任意後見と同様で、
契約によりあらかじめ保護者を選任しておく制度です。

判断能力がなくなったときは「任意後見」、
判断能力はあるけど体が動かないときは「任意代理」
で対応します。

任意後見と任意代理はセットで契約するとよいでしょう。
 

ペットの方が長生きした場合

ペットの方が長生きすることを想定する場合も、
基本的な方法は同じです。

今度は遺言で、

  • 自分が先に亡くなったとき、ペットをどうしたいか
  • それを誰に頼むか=遺言執行人(いごんしっこうにん)

を決めておきます。

もちろん、遺言執行人を頼む人には、
遺言の内容は事前に把握してもらっておきます。

飼い主が亡くなった後に、
ペットをどうするか遺言の内容どおりに、
遺言執行人が手続を行います。

こうしておけば一人暮らしで、
近くに親族がいない飼い主に万が一のことがあったとしても、
ペットの安全は確保されるわけです。

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以上のように、

  • 自分は亡くなっていないけど世話ができない場合
     ⇒ 任意後見と任意代理の契約
  • 自分が亡くなってしまった場合
     ⇒ 遺言

これら制度を使うことにより、
一人暮らしの飼い主で、近くに親族がいない場合、
自分に万が一のことがあっても、
ペットが路頭に迷わないようにすることができます。

しかしこの方法も一つ注意点があります。

任意後見人、任意代理人や遺言執行者、
ペットの里親を捜す団体、生涯預かる団体には、
それなりのお金を用意する必要がある点です。

どれくらい必要かは、それぞれの取り決めなので
一概には言えませんが、ある程度の費用はかかります。

一定の費用はかかりますが、
このような仕組みを使うことにより、
ペットの安全を確保でき、
自分は好きなペットと生涯暮らせる生活が可能となるわけです。

お金はかかるかもしれませんが、
かけがえのないものを得ることができるかもしれませんね。

私も何人もの方の後見人や、遺言執行人になっています。
このようなことを事前に用意しておくと、
皆さん、安心されるようです。

 

 

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