相続の相談で、
「私は、看病や介護を一生懸命した。その分は相続のとき認められないのですか?」
と聞かれることがときどきあります。
相談されている方は、
自分がいままでしてきた努力を遺産分割で認めてもらって、
少しは多くもらいたいというお気持ちがあるのだと思います。
この「多くもらうための根拠」が「寄与分」と言えるでしょう。
ところが、この寄与分はなかなか難しいです。
というのは、亡くなった方の財産が維持されたとか、
増えているとかで判断されるからです。
例えば、
・入院費を代わりに払っており、相当な金額になった
・亡くなった方が農家をしており、いつもタダで手伝っていた
・亡くなった方の借金を代わりに払ってやった
等々です。
介護をしたというレベルでは、
努力は相当なものだったのだと思いますが、
「寄与分」として認められるかは難しいものがあります。
寄与分を強硬に主張すると遺産分割の話し合いがこじれることが多く見られます。
裁判など、行くところまでいった場合、
寄与分は通常はあまり認められないですから、
遺産分割の話し合いのときに、
穏便に、あまり感情的にならないように、
少しは多くもらうように持っていくのが、賢い方法かもしれません。