それは、夫に離婚歴があり、 その子は別れた奥さんが引き取りました。 相続手続きでは、 その子や前の奥さんとは、 |
前の奥さんとの子供も相続人になる?
亡くなられた方に離婚歴があり、
その間に子供がいる場合、その子供も相続の権利かがあるか、
疑問に思われる方もいると思います。
別れた配偶者やその間の子供とは
会ったことがない場合もあり、
相続手続きに不安も思われると思います。
今回の事例ですが、前の奥さんとの子供も相続人になります。
遺産分割協議は、その子供も加える必要があり、
遺産分割協議書にもその子供の実印と印鑑証明書が必要です。
その子を加えないで行った遺産分割協議は
無効ですので気をつけてください。
では、その子供の法律上の
相続分(遺産に対してどれくらい権利があるか)は
どうなるのでしょうか?
前の配偶者との間の子も、
後の配偶者との間の子も、
法律上の相続分は変わりありません。
今回の事例のケースでは、
妻:3/6
長男:1/6
二男:1/6
前の妻との間の長女:1/6
になります。
遺産分割協議がまとまればどのような分け方をしてもいい
(例えば、妻が全部もらうとか)のですが、
まとまらない場合は、調停や審判をすることになり、
その際は、この相続分に基づいて、
どのように分けるかが決められます
不安な気持ちは理解できますが、
その子供も納得する形で遺産分割協議をまとめていただければと思います。
遺言があると
このように、前の配偶者との間に子供がいる場合、
遺言があれば、その子供と接触せずに相続手続きをすることができます。
しかし、その子供も元々は相続の権利があります。
何ももらえない遺言があったとしても、
少しはもらうことができる「遺留分(いりゅうぶん)」がという権利があります。
この遺留分については後で事例を扱います。
また、離婚したとはいえ、
その子供も、血のつながった子供であることは間違いありません。
今まで、実の親の片方がいない生活を送ってきたわけですから、
その点の考慮はあってもいいかもしれませんね。
認知した子供がいる場合
では、亡くなった方に認知した子供がいる場合はどうでしょうか?
夫が別の女性との間にできた子供を認知しているケースです。
もちろん認知された子も相続人になります。
ですから遺産分割協議書にも
その子の実印と印鑑証明書が必要となるわけです。
認知された子の相続分
それでは、認知された子どもと、
結婚で生まれた子どもとでは、
法律が定めた相続分(法定相続分)は
変わるのでしょうか?
これは、同じになります。
妻:3/6
長男:1/6
長女:1/6
認知された子:1/6
これまでは、認知された子の相続分は
結婚で生まれた子供、の半分でした。
しかし、そのような規定は憲法に違反すると、
平成25年9月に最高裁判所で判断されました。
これにより、平成13年7月1日以降に
生じた相続については、
認知された子も結婚で生まれた子も
法律上の相続分は同じと扱われます。
遺産分割協議がまとまれば、
どのように分けてもかまいません。
しかし、協議がまとまらず、調停になると、
今後は、相続分の扱いは同じとされるでしょう。
では、平成13年7月1日以降の相続で、
これまで遺産分割協議や調停がまとまったものは
どうなるのでしょうか?
これは、今回の最高裁判所の判断の影響は受けません。
まとまったものまでひっくり返していたら、
大変な混乱になりますから、
まとまったものはそのままということです。