自分の直筆で書いた遺言のことです。

自筆証書遺言が有効になるためには

  • 全部自分の直筆で書く
  • 日付
  • 氏名
  • 押印

の4つを満たす必要があります。

最近、終活ブームで、
書店ではエンディングノートをよく見書けるようになりました。

エンディングノートに、自分が亡くなった後、
自分の財産をどのように分けて欲しいか
書くページもあると思います。

では、エンディングノートに財産の分け方を書いた場合、
それは自筆証書遺言として有効になるでしょうか?

自筆証書遺言は、全部自分の直筆で書く必要があります。

エンディングノートに「財産をどのように分けるか」などと印刷してあり、
そのところに分け方を書いたとすると、
「全部自分の直筆で書く」という要件を満たさなくなりますので、
エンディングノートは遺言としては、効力がないと言えるでしょう。

したがって、エンディングノートとは別に、遺言を書く必要があります。

自筆証書遺言で特に注意して欲しい部分は日付です。

「平成25年10月吉日」と書いた場合、その遺言は無効になります。

「平成25年10月31日」と、日にちまで書いてください。

氏名はその本人が誰かわかればいいので、
芸能人などが芸名で遺言を書いても有効とされるでしょう。

印鑑は認め印でかまいません。

また、遺言は封筒に入れる必要もありません。

ただ、自筆証書遺言は、
自分が亡くなったとき誰かに見つけてもらわなければいけないので、
身近な人に、「遺言をここにしまってあります」と教えておいてください。

せっかく書いたのに見つけられなかったらどうしようもないですから。

書いた本人が亡くなった後、
自筆証書遺言を有効にするためには家庭裁判所で「検認」という手続が必要です。

これは、家庭裁判所で、
遺言を開き、その後、改ざんされないようにするための手続です。

検認まですんだ自筆証書遺言は、
土地建物の名義の変更や、預貯金の解約などで利用できるようになります。